樹木のお別れ製材・草木染めワークショップ

街の木ものづくりネットワーク(マチモノ)主催の

「樹木のお別れ製材・草木染めワークショップ」で草木染め担当として参加させていただきました。

長い間、家主さんの愛情をたっぷり受けてきた大きな一本のケヤキの木。

事情により、邸宅と共にお別れすることとなりました。

これまで景色を見つめてきた樹木に感謝し、最後に樹木を木材化する作業に取り組むイベントが「製材ワークショップ」です。

オーナーさんご家族にもご一緒に参加していただき

一緒に過ごした思い出のお話を聞き

樹木をあらゆる角度から体感します。

その重量感、堅さ、木肌の触り心地。そして樹木の出す色。

伐られた木を昔ながらの道具、大鋸(おが)で製材し、その樹皮を活用し、草木染めをしました。

そこに暮らす家族の成長を見守ってきた大きなケヤキの木からは、オーナーさんが長く大切にされてきた様子を手に取るように感じるほどでした。

様々な事情で止むなくその風景を手放すことがあっても、楽しかった記憶はいつまでも思い出として残ります。

伐られた木で染めた布で、その景色の最後を飾り、

その裏側にある物語を知り、

そこからまた何か新しい物語をつくるためのお手伝いができたことは、この上なく嬉しいことでした。

ケヤキの樹皮を使って染めた布は、目にも鮮やかなピンク色に染まり

その木と長く一緒に暮らしてきたオーナーさんにも、集まって下さる皆さんにも、楽しい記憶に残る一日となりました。

草木の声を染める

肉眼でしか味わえない、その日そのときだけの色。植物が秘めている色彩への好奇心を駆り立てられた経験と、草木が育った時間、環境、物語が重なりあってわき出る色に出会う喜びを綴っていきます。

0コメント

  • 1000 / 1000